2014年02月25日
パンダをいくらで買いますか?
パンダをいくらで買いますか?
野口真人 著
<売っていないものの値段>
物に値段をつけなければならない事があります。お店屋さんや市場で売っているものなら、値付けも簡単なのですが、売っていないものにどうやって値段をつけましょうか?・・・というお話で本書は始まります。「売っていないもの」の代表選手が「パンダ」なのですね。
職業柄、相続税の評価を連想してしまいますが、今回は税金の話ではありません。
<3通りの考え方>
物の価値を測る時、大きく分けて3通りの考え方があるそうです。
①売ったらいくら?買ったらいくら・という市場の需給関係から導き出す方法。(似た商品の値段を参考にするのもこの一種でしょう)
②その物を作成するために必要なコストを積み上げた合計額。
③その物の利用価値から導き出す方法。
実は本書は「ファイナンス理論」の入門書です。パンダの値段を考えるにあたり、③の手法を使って動物園の入園料(将来キャッシュフロー)からパンダの値段を計算する方法(収益還元価値法)を紹介しています。
<割引現在価値>
パンダが居ることにより将来に渡って増加する入園料の総合計が「パンダの価値」という事になりますが、ここで「割引現在価値」の概念を解説しています。1年後に収入が見込まれる100万円は今手元にある100万円より価値が低い・・・というもので、その理由は「利息」にあります。つまり将来になるほど、この利息部分の減額が多くなり、ずっと遠い将来の収入は限りなく0円に近づく・・・という理屈です。
この理屈も加味してパンダの値段を計算していきます。(ディスカウンテッドキャッシュフロー法などと言いますね)
※参考:面白い計算式が載っていたので、備忘記録のため書き残しておきます。
将来にわたり、ずっと毎年100万円をもらい続ける権利の割引現在価値は?
市場金利5%の時だと
100万円÷5%= 2千万円 だそうです。
複雑な計算式を相殺していくと結果的にこの単純式になるそうです。
<会社の価値の計算>
ここからだんだんファイナンス理論っぽい話になってきます。パンダの計算に利用した考え方を「会社の値段」に当てはめて話がすすみます。
入園料の代わりに、会社が生み出す「フリーキャッシュフロー」を、市場金利の変わりにWACC(会社の借入れ金利と資本コスト(ROE)の加重平均値)を使います。
ちょっと難しくなってきましたね。実際の商売で、この理論をどう活用すれば良いのでしょうか?本書では「新プロジェクト」の投資判断に活用する例示を示しています。・・・が私自身は、実務ではちょっと縁遠いかもしれません。
(静岡市立御幸町図書館所蔵)
野口真人 著
<売っていないものの値段>
物に値段をつけなければならない事があります。お店屋さんや市場で売っているものなら、値付けも簡単なのですが、売っていないものにどうやって値段をつけましょうか?・・・というお話で本書は始まります。「売っていないもの」の代表選手が「パンダ」なのですね。
職業柄、相続税の評価を連想してしまいますが、今回は税金の話ではありません。
<3通りの考え方>
物の価値を測る時、大きく分けて3通りの考え方があるそうです。
①売ったらいくら?買ったらいくら・という市場の需給関係から導き出す方法。(似た商品の値段を参考にするのもこの一種でしょう)
②その物を作成するために必要なコストを積み上げた合計額。
③その物の利用価値から導き出す方法。
実は本書は「ファイナンス理論」の入門書です。パンダの値段を考えるにあたり、③の手法を使って動物園の入園料(将来キャッシュフロー)からパンダの値段を計算する方法(収益還元価値法)を紹介しています。
<割引現在価値>
パンダが居ることにより将来に渡って増加する入園料の総合計が「パンダの価値」という事になりますが、ここで「割引現在価値」の概念を解説しています。1年後に収入が見込まれる100万円は今手元にある100万円より価値が低い・・・というもので、その理由は「利息」にあります。つまり将来になるほど、この利息部分の減額が多くなり、ずっと遠い将来の収入は限りなく0円に近づく・・・という理屈です。
この理屈も加味してパンダの値段を計算していきます。(ディスカウンテッドキャッシュフロー法などと言いますね)
※参考:面白い計算式が載っていたので、備忘記録のため書き残しておきます。
将来にわたり、ずっと毎年100万円をもらい続ける権利の割引現在価値は?
市場金利5%の時だと
100万円÷5%= 2千万円 だそうです。
複雑な計算式を相殺していくと結果的にこの単純式になるそうです。
<会社の価値の計算>
ここからだんだんファイナンス理論っぽい話になってきます。パンダの計算に利用した考え方を「会社の値段」に当てはめて話がすすみます。
入園料の代わりに、会社が生み出す「フリーキャッシュフロー」を、市場金利の変わりにWACC(会社の借入れ金利と資本コスト(ROE)の加重平均値)を使います。
ちょっと難しくなってきましたね。実際の商売で、この理論をどう活用すれば良いのでしょうか?本書では「新プロジェクト」の投資判断に活用する例示を示しています。・・・が私自身は、実務ではちょっと縁遠いかもしれません。
(静岡市立御幸町図書館所蔵)
Posted by 書架の番人 at 08:14
│財務管理・資金繰り