2017年12月04日
新人OL社長になって会社を立て直す
新人OL社長になって会社を立て直す
佐藤義典 著

<あれから5年>
本書は「新人OLつぶれかけの会社を任される」の続編です。
前作を読んだのは自分の記録を見るとなんと2012年ですから、なんと5年越しの続編購読になります。前作はかなり気に入ったと記憶しています。軽いタッチの物語の中に、マーケティング理論が散りばめられていて読みやすく、しかも内容は実践的なものでした。
前作のブログ記事はこちら。(画像をクリックしてください)

<お店のコンセプト>
本書は大きな括りで言えば、自店の経営コンセプト探しのお話です。これが定まっていないばかりに主人公「売れタマ」の運営するイタリアンレストラン「ソーレ・シチリアーノ」は競合店に顧客を奪われていきます。幾つか対抗策を実行しますが、空回りしてお店の経営は返って悪化していきます。親戚の売れっ子コンサルタント「勝さん」の助言によりお店のコンセプトを明確化し、それに合わせた施策で「ソーレ・シチリアーノ」を復活へと導くお話です。 物語としては少々わざとらし過ぎる面もありましたが、この手の本では仕方ないですよネ。
<本書で学ぶべき事>
物語中に散りばめられている経営戦略のうち主な物は次の4つだと思います。
①経営理論BASiCS
マーケティングを次の5つの要素に分けて考え明確化する
B(BattleField)-戦場・競合 A(Assete)-独自の経営資源 S(Strength)-強み C(Customer)-顧客 S(Selling Message)-メッセージ
②「強味」は結局次の3つしかない
・手軽軸-(競合より)早い・安い・便利
・商品軸-(競合より)高品質・新技術
・密着軸-(競合より)顧客の個別ニーズに対応
③せすじ評価サイクルを回せ
・戦略を考える → ・目標数字に落とし込む → ・実施策を考え実行する
このサイクルをコマメに回し、戦略を修正しながら実行していく。
④顧客のマインドフローに合った対策を
顧客が購買に至る(再来店する)までの心の動きを考え、それに応じた対策を立てる。
「知る」→「興味を持つ」→「手に取る・行ってみる」→「他との比較を行う」→「購入する」→「使用する」→「満足する」
購入に至らなかったり、再購入が無いのはこのどこかで引っかかっていることを意味する。
その引っかかりを取り除く対策を立てる必要があるが、引っかかっている過程により対策は異なる。
一般的に下流での引っかかりを是正するほど購買率に大きく寄与する。
<決定打に欠けるかナ?>
結局、「ソーレ・シチリアーノ」のコンセプトは「シチリアの太陽」だそうです。(この表現自体、具体性に欠け意味不明です)
「密着軸」に重点を置き、「ホームパーティーやってるみたい」なくつろげるお店を目指す。独自の経営資源は「優秀なスタッフ」だそうで、このスタッフを総動員して、顧客に寄り添ったおもてなしを行う事を目指します。
その結果・・・半年後には大変な繁盛店となり2号店の出店も決まる・・・・という物語ですが、どうでしょうか。もしこれが現実のお話であったなら低迷店の復活策としては「それでは弱いなァ」と感じてしまいました。持続性にも限界があるのでは?
読後の印象としては、1作目の方がずっと強烈なインパクトを受けたように感じました。でもあれから5年も経ちますからね。もしかしたら私自身「商売慣れ」して感受性が弱っているのかもしれません。
1作目は今でも御幸町図書館にあるので、今度行ったら手に取って読み返してみたいと思います。
(Amazonにて購入)

佐藤義典 著

<あれから5年>
本書は「新人OLつぶれかけの会社を任される」の続編です。
前作を読んだのは自分の記録を見るとなんと2012年ですから、なんと5年越しの続編購読になります。前作はかなり気に入ったと記憶しています。軽いタッチの物語の中に、マーケティング理論が散りばめられていて読みやすく、しかも内容は実践的なものでした。
前作のブログ記事はこちら。(画像をクリックしてください)

<お店のコンセプト>
本書は大きな括りで言えば、自店の経営コンセプト探しのお話です。これが定まっていないばかりに主人公「売れタマ」の運営するイタリアンレストラン「ソーレ・シチリアーノ」は競合店に顧客を奪われていきます。幾つか対抗策を実行しますが、空回りしてお店の経営は返って悪化していきます。親戚の売れっ子コンサルタント「勝さん」の助言によりお店のコンセプトを明確化し、それに合わせた施策で「ソーレ・シチリアーノ」を復活へと導くお話です。 物語としては少々わざとらし過ぎる面もありましたが、この手の本では仕方ないですよネ。
<本書で学ぶべき事>
物語中に散りばめられている経営戦略のうち主な物は次の4つだと思います。
①経営理論BASiCS
マーケティングを次の5つの要素に分けて考え明確化する
B(BattleField)-戦場・競合 A(Assete)-独自の経営資源 S(Strength)-強み C(Customer)-顧客 S(Selling Message)-メッセージ
②「強味」は結局次の3つしかない
・手軽軸-(競合より)早い・安い・便利
・商品軸-(競合より)高品質・新技術
・密着軸-(競合より)顧客の個別ニーズに対応
③せすじ評価サイクルを回せ
・戦略を考える → ・目標数字に落とし込む → ・実施策を考え実行する
このサイクルをコマメに回し、戦略を修正しながら実行していく。
④顧客のマインドフローに合った対策を
顧客が購買に至る(再来店する)までの心の動きを考え、それに応じた対策を立てる。
「知る」→「興味を持つ」→「手に取る・行ってみる」→「他との比較を行う」→「購入する」→「使用する」→「満足する」
購入に至らなかったり、再購入が無いのはこのどこかで引っかかっていることを意味する。
その引っかかりを取り除く対策を立てる必要があるが、引っかかっている過程により対策は異なる。
一般的に下流での引っかかりを是正するほど購買率に大きく寄与する。
<決定打に欠けるかナ?>
結局、「ソーレ・シチリアーノ」のコンセプトは「シチリアの太陽」だそうです。(この表現自体、具体性に欠け意味不明です)
「密着軸」に重点を置き、「ホームパーティーやってるみたい」なくつろげるお店を目指す。独自の経営資源は「優秀なスタッフ」だそうで、このスタッフを総動員して、顧客に寄り添ったおもてなしを行う事を目指します。
その結果・・・半年後には大変な繁盛店となり2号店の出店も決まる・・・・という物語ですが、どうでしょうか。もしこれが現実のお話であったなら低迷店の復活策としては「それでは弱いなァ」と感じてしまいました。持続性にも限界があるのでは?
読後の印象としては、1作目の方がずっと強烈なインパクトを受けたように感じました。でもあれから5年も経ちますからね。もしかしたら私自身「商売慣れ」して感受性が弱っているのかもしれません。
1作目は今でも御幸町図書館にあるので、今度行ったら手に取って読み返してみたいと思います。
(Amazonにて購入)

Posted by 書架の番人 at 20:43
│マーケティング