2015年06月30日

おひとりさま相続

おひとりさまの相続
中村麻美 著
おひとりさま相続



<増加する「お一人様」>
昨今はライフスタイルが多様化し、結婚をしない人、子供がいない人が増えています。
また、配偶者や子供に先立たれ、期せずして「お一人様」となってしまうケースもあるでしょう。
本書は相続時に生じる「おひとり様」ゆえの問題について書かれた本です。


<お一人様が「相続人」となるケース>
「お一人様」の親が亡くなる場合などがこのケースです。
問題点は
①兄弟が居ない「お一人様」は、遺産整理や各種手続きを相談する人がいない。自分ひとりで全て行わなければならず負担が大きい。
②兄弟が居ない「お一人様」は、法定相続人数が少ないので、基礎控除額が少なく、相続税が多めとなる傾向がある。
③兄弟が居ない「お一人様」は、相続財産を一人で引き継ぐ。相続税も一人で払うため負担が大きい。この際、相続財産が土地建物中心で預貯金が少額であると、相続税の資金繰りがつかず、苦労する。
④「お一人様」がマンション等を購入して居住している場合「小規模宅地の特例」を使えず相続税が多くなるケースがある。
⑤「お一人様」には資産を引き継ぐ次世代が居ないため、兄弟から遺産相続の割合を遠慮するよう期待される。


<お一人様が「被相続人」となるケース>
「お一人様」自身が亡くなる場合です。
問題点は
①法定相続人が、兄弟、甥、姪などに拡散するため、相続の話し合いが難航する。
  (相続第1順位である親はすでに他界している)
②中心となって財産整理にあたる人が居ない。(居宅の処分や債務整理等)
③相続人が遠縁である場合、「お一人様」の遺産(財産・負債)の全容を把握するのが困難。
④「お一人様」が結婚・離婚を何度かしていると、遠縁である親族では、誰が相続人となるのか(子供や養子は本当に居ないのか)を確定させること自体困難。


<遺言やリバースモーゲージの活用>
本書では、上記問題を予め回避するため、遺言書を活用する事。
老後資金を捻出した上で、本人他界後の居宅処分も自動的に行なわれる「リバースモーゲージ」の活用を勧めています。

「遺言書」は実際にはなかなか書けないものです。色々なことに考えが及んでしまい、なかなかまとまらない上、文書化する手間もかかるため、ついまた後日・・・と先送りしがちです。そうするうちに1年2年と経ってしまうのです。

また「リバースモーゲージ」は、ちょっと敷居が高いですね。あまり活用の事例を聞きません。今後増えてくるのでしょうか?

(静岡市立御幸町図書館所蔵)


おひとりさま相続





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Posted by 書架の番人 at 23:11 │税金

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