2014年02月16日

折れない中小企業の作り方

折れない中小企業の作り方
奥山睦 著




<製造業系の経営指南書>
「製造業向け」とはどこにも書いてありませんが、製造業の色彩を強く感じます。

一般的に製造業向けの経営改善策を書こうとすると、「在庫管理」とか「間接費の配賦方法の工夫」とか「リードタイムの短縮」など原価計算をベースとした話になりがちです。しかしそれは「現状の作業フローの改善による経営効率化」であって、会社の経営自体についての参考書にはなりません。

本書には製品開発やマーケティング戦略、人材育成や会社の求心力向上について記載されています。「商業」向けのこういった書物は沢山ありますが、「製造業向け」というのは珍しいですね。参考になるお話が沢山載っていましたが、1つだけ紹介します。


<ゲート・キーパーを育てろ>
「ゲート・キーパー」とは組織の内外とコミュニケーションを頻繁に取り、組織外部の情報を咀嚼して組織内部に伝え浸透させる、また組織の意見や情報をしっかりとまとめ、外部の人や組織にも平易な言葉で誤解なくしっかりと伝達していく役割を担う人材の事だそうです。日本語に訳すと「門番」なので逆のイメージになってしまいますね。

この役割は、組織の所属長が担うべきものと思いますが、「ゲート・キーパー」は正式な職制上の役割ではありません。結果的にそうなっているという自然発生的な役割です。結果的に「所属長」が、「ゲート・キーパー」であることもありますが、有力な若手職員(工員)だったりするケースもあるのです。

「ゲート・キーパー」は間違いなくその部署の実力者です。技術力も優れ、それゆえ部署の皆も彼(彼女)の言葉に耳を傾けます。そしてコミュニケーションも得意で客観的なしっかりとした会話ができるため、他部署の人からも信頼されます。

研究部門や工場の特定部署では、組織の中で完結する仕事が多い為、独立の気風が強く、他部署とは相容れない硬直的な世界を築いてしまいがちです。それゆえ「ゲート・キーパー」の役割が重要であり、こうした人材を育成して各部署へ配置することが重要となるのです。


(静岡市立御幸町図書館所蔵)


  


Posted by 書架の番人 at 08:13経営