2012年10月05日

在庫が減る!利益が上がる!会社が変わる!

在庫が減る!利益が上がる!会社が変わる!
村上悟 著

在庫が減る!利益が上がる!会社が変わる!



<TOCによる生産管理の解説本>
本書は工場等の生産管理・在庫コントロールをメインに解説した本です。従来の伝統的な原価計算に頼らず、新たな理論TOC(制約条件の理論)を基にしています。TOCはエリヤフ・ゴールドラッド博士により提唱された理論で、博士の著書「ザ・ゴール」により世界的に知られるようになりました。4~5年前、日本でもベストセラーになりましたね。
「部分最適」「全体最適」などという言葉も当時流行ったように記憶しています。



<TOC理論>
TOC理論は、企業の目標達成を妨げる「制約条件」に注目し、企業業績を改善しようとするものです。
博士は「工場の生産性はボトルネック工程の能力以上は絶対に向上しない」という点に着目し、以下の5つのステップにより改善を行うことを提案しています。

①企業収益を制限しているポイントを発見し、「制約条件」を明確にする。
②「制約条件」によりボトルネックとなっている工程・プロセスを、現在の条件下で最も効率良くフル稼働させる作戦を実行する。
③上記②実現のために全社を挙げてサポートを行う。
④「制約条件」の改善に努め、ボトルネックの許容量を高める。
⑤「制約条件」の変化を常に監視し、継続的に改善を進める。



<具体的には>
もう少し具体的に表現するなら以下のようになるでしょう。

①ボトルネックの発見
工場で、原材料→第1工程→第2工程→第3工程→出荷というプロセスがあると仮定します。この中で、第2工程のある工作機械が旧型で、作業スピードが遅かったとします。

②③ボトルネックを改善
このケースでは第1部門、第3部門の作業スピードをいくら上げても、出荷量は増えません。そこで、第1部門、第3部門の作業スピードを落としてでも第2部門の工作機械をフル稼働させらえる状況を作り出す事に最優先で取り組みます。

④「制約条件」を解消
もし投資を行うなら、第2部門の工作機械の更新へ最優先で充当すべきでしょう。

⑤PDCAサイクル
そして、新型工作機械を第2工程て投入した後は、別の部署が新たなボトルネックとなるはずですので、これを常に監視し、改善していく必要があります。



<スルー・プット会計>
上記ボトルネックを発見・解消し、全体の流れをスムーズにしようとする試みを管理面・会計面からサポートするために考案されたのが「スルー・プット会計」です。

従来の伝統的な工業簿記・原価計算では、ボトルネックの発見やリードタイム、工程間の待ち時間、過剰在庫、納期管理といったものが反映できません。それどころか、固定費となっている間接費を材料消費高等の一定の基準により各工程へ無理に配賦するため、算出された原価が実勢を反映せずこれを基に生産管理の改善策を行うと誤った方向に行動しかねません。

そこで、スルー・プット会計では、(T)スループット  (I)在庫と投資  (OE)業務費用  の3区分で経理を行い状況判断に役立てようというものです。

勿論、管理用の会計であって、財務諸表の作成等とは別物です。



<予備知識が必要かも>
本書前半は工場生産性改善の物語仕立て、後半が理論解説となっています。工場を舞台としているため、「リードタイム」「タッチタイム」「セル方式」「カンバン方式」「ロット」「バッファーサイズ」「有効稼動時間」等専門用語が多く登場します。工場生産に携わった経験のある方、もしくは工業簿記や原価計算の経験のある方でないと、内容を把握するのにちょっと苦労するかもしれません。

(静岡市立御幸町図書館所蔵)

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Posted by 書架の番人 at 00:45 │会計

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