2015年02月16日

弁護士ドットコム

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元榮太一郎 上阪徹 共著

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<士業のマーケティング>
弁護士・司法書士・公認会計士・税理士・・・このような専門職の方を総称(俗称?)して「士業」と言います。
いずれも試験に合格し、一定の経験を経て登録をしないと仕事ができないため、参入障壁が高い職種です。
過去においては広告や仕事の勧誘が禁じられていた業種もあるようで、その名残か、一般的に「営業下手」と言われています。

それを狙ってでしょうか、税理士などは、広告宣伝の代行や顧客を斡旋する業者が存在するようで、私のような小規模な事務所にも、よく勧誘の電話があります。 何か食い物にされているような気がして、片っ端から断っていますが、弁護士の業界はそもそも有料による顧客紹介は法律で禁じられているのだそうです。

それでも、著者は弁護士の紹介ビジネスを手がけ成功しています。・・・少しでも自身の営業の参考になればという下心から、本書に手を伸ばしました。


<無料登録・相談無料>
弁護士ドットコムというくらいですので、この事業のメインはwebによる集客&顧客紹介です。
そのようなWebサイトならいまどき星の数程あるのですが(弁護士紹介については知りません)、弁護士ドットコムの他との違いは「無料登録・無料相談」にあるようです。

素人がサイト上で、無料で法律相談ができ、相談内容は公開されます。一方、弁護士も無料で登録でき、無料で法律相談の回答を書きます。
回答を書くたび、ポイントが付与され、サイト内でランク付けが上がっていく仕組みなのだそうです。

弁護士に無料で相談できるため、一般の人が多くサイトを訪れます。一方弁護士の方も回答を作成しランク付けが上がっていくと自身の宣伝になるのだそうです。いわゆるゲーミフィケーションの要素を早くから取り入れたのですね。

(※私自身体験確認はしていません。あくまでも本書の記述によります。)

・・・ではこの会社の収益源はどこから??・・・・やっぱり弁護士の有料登録のようです。無料登録とは別に優遇枠の有料登録を売っているのです。


<スーパーマン>
少しでもあやかりたいという気持ちで読んだのですが、残念ながら宛てが外れたようです。
著者は謙遜して書いていますが、私のような凡人からみれば「スーパーマン」の類でしょう。

2年で難関試験にパス。20代にして都心の超有名法律事務所へ就職し、年収2千万超。
起業のため退職しますが、起業と平行して仲間と新たな弁護士事務所を立ち上げ、一旦は30名超の弁護士を擁する大法律事務所へ成長。

幹部同士の意見の不一致から、弁護士1名と事務員10名程度を連れてその事務所を去りますが、現在はまたほぼ同規模の法律事務所へと成長しているとのこと。そして弁護士ドットコムは上場を果たします。・・・著者はまだ40代前半のはず。

弁護士ドットコムは当初赤字体質で、著者が年間3千万もの資金をつぎ込んで維持した年もあったとか・・・・
やっぱり、資金を稼ぎ出す力あってのものですね。普通だったら途中で潰れているのではないでしょうか。


<一番知りたい所は>
輝かしい実績には、ただただ羨望の眼差しで拝読するばかりですが、結局一番知りたいところは靄がかかったままです。
・どうやって短期間で(2度も)30名超の弁護士を擁する大法律事務所へ成長できたのか。(これによる資金供給が起業を支えた)
・無料登録・相談無料からどうやって一部有料登録による収益構造の定着化へ持っていけたのか。(通常は登録者に離脱されてしまう)

知ったところで応用できるものでは無いかもしれませんが・・・・

(静岡市立御幸町図書館所蔵)

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Posted by 書架の番人 at 08:08 │経営

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