2012年12月18日

O2O 新消費革命

O2O 新消費革命 ~ネットで客を店舗へ引きつける~
松浦由美子 著

O2O 新消費革命



<ITの新たなキーワード>
O2O(オーツーオー)と読むそうです。「Online to Offline」の略でインターネットを利用して顧客を実社会の店舗へ引っ張ってこようという試みの総称です。
もともと、商業関係や企業のホームページの殆どはこの目的で作られたものですから「何をいまさら」と思ったのですが、今提唱されている「O2O」は少し違うようなのです。


<スマホ・位置情報サービス・オンラインゲーム>
昨今のスマートフォンの普及は、今更言うまでも無い事ですが、これに伴い、ネットの世界ではまた新たな方向性が生じています。

スマホには位置情報の認識システムが組み込まれており、これを発信しています。ネット側では、この情報を読み込んで検索結果やホームページの表示内容、オンラインゲーム上に反映させるようになってきています。

また、オンラインゲームは、通信回線速度やPC処理能力への依存度が高いため、従来はPCのヘビーユーザーが自宅にこもってプレイする傾向が強かったのですが、屋外無線LANの普及やスマホの性能向上に伴い、喫茶店やレストラン、電車やバスの車中でスマホを使って手軽にオンラインゲームを楽しむことが出来るようになっています。

「O2O」はこれらを結びつけたサービスを展開し、店舗へ顧客を誘導する仕組みの構築を目指します。


<具体例>
抽象的なお話で、イメージが掴み難いと思うので特徴的な例示を示しましょう。
スマホで専用の無料アプリを用意し顧客・見込み客へ配布します。アプリの内容は「冒険ゲーム」だったり「街の構築ゲーム」だったりします。要は単なる広告ではなくユーザーが一緒に楽しめる、ゲーム的な要素の強い仕組みのもの用意するのです。

このアプリは位置情報サービスを読み込む仕組みになっていて、実際に来店するとゲーム上で「アイテム」をゲットできたり、「ポイント」が加算されたりします。逆にゲームのプレイで貯めたポイントを実店舗での買い物の際、割引ポイントとして利用したりする仕組みが組み込まれているのです。

会社によって多少内容が違いますが、本書では「ローソン」「良品計画」「東急電鉄」「セブン&アイ」など有名企業の導入例が紹介されています。


<中小企業への影響>
ネットと実社会との融合。ネット社会はドッグイヤーと言われ時間の流れが速いのですが、もうこんなところまで来ているのか?と驚きました。面白い仕組みですが、アプリの開発が鍵になりますから、小規模企業が真似ようと思うと、かなり敷居が高いのではないでしょうか。

この仕組み、どこまで普及するのか興味深いところですが、これにより大企業と中小企業のIT格差による集客力の差が一層開いてしまいそうで少し残念な気がします。自分勝手な妄想かもしれませんが、ネットは「万人に平等にチャンスを与える場」であって欲しいと思うのです。

(静岡市立御幸町図書館所蔵)


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Posted by 書架の番人 at 00:45 │IT

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