2012年08月17日
決算書の9割は嘘である
決算書の9割は嘘である
大村大次郎 著
<不正決算の実態>
本書は元国税調査官による「粉飾決算」「脱税」を題材とした本です。
表題の「9割は嘘」というのは税務調査による修正申告の割合だそうです。
確かに税務調査があると、殆どの会社は修正申告・追加納税がありますね。
粉飾決算・脱税は様々なパターンがありますが、本書では全て「利益」に絡めて説明していますので、ここでは粉飾決算=利益の過大計上、脱税=利益の過少計上という前提でご覧ください。
<上場企業は脱税をしない>
本書では株主構成の違いにより以下のような傾向にあると述べています。
株主分散型(上場企業等)・・・・・粉飾決算の可能性>脱税の可能性
オーナー社長型(同族会社)・・・粉飾決算の可能性<脱税の可能性
上場企業等では社長や役員は株主から雇われて経営に従事していますので、株主に対し利益を上げ、多くの配当を行なうことが目標となります。
決算書では、利益を出来るだけ多く計上する傾向にあります。逆に不正を犯して利益を抑え脱税をしても、社長や役員の得にはなりません。
反対に社長又は社長の親族のみが株主である会社は利益に連動して税金の支払が多くなる事を嫌う傾向があります。
<不正決算にはパターンがある>
以下に不正決算の代表的な手法を記載します。
「利益=売上-売上原価-経費-税金」ですので、粉飾を行なうためには、この構成要素のいずれかを操作すればよいわけです。
①売上・・・・(粉飾)売掛金を水増し、架空の売上を計上する。子会社に無理やり商品を買い取らせる。
(脱税)現金売上等の一部を隠してしまい、売上に計上しない。
②売上原価(粉飾)期末在庫高を実際より多く計上する。買掛金を過少計上し、仕入高を減らす。
(脱税)期末在庫高を実際より少なく計上する。買掛金を過大計上し、仕入高を増やす。
③経費・・・ (粉飾)未払費用を少なく計上する。自社の経費を子会社に負担させる。
(脱税)架空の人件費・外注費を計上する。
<決算書の判定は立体的に>
決算書は他人に見せることを前提に作られていますので、決算書のみを見て粉飾を判断する事は困難です。
その業界の景気や成長性、その会社に起こった出来事、その会社や商品の評判、過去の決算データとの比較で見ると一定の矛盾が浮かび上がるとのことです。
しかし、調査組織にいない一般人の我々には入手できる情報に限りがありますから、難しいですね。
(静岡市立御幸町図書館所蔵)
大村大次郎 著
<不正決算の実態>
本書は元国税調査官による「粉飾決算」「脱税」を題材とした本です。
表題の「9割は嘘」というのは税務調査による修正申告の割合だそうです。
確かに税務調査があると、殆どの会社は修正申告・追加納税がありますね。
粉飾決算・脱税は様々なパターンがありますが、本書では全て「利益」に絡めて説明していますので、ここでは粉飾決算=利益の過大計上、脱税=利益の過少計上という前提でご覧ください。
<上場企業は脱税をしない>
本書では株主構成の違いにより以下のような傾向にあると述べています。
株主分散型(上場企業等)・・・・・粉飾決算の可能性>脱税の可能性
オーナー社長型(同族会社)・・・粉飾決算の可能性<脱税の可能性
上場企業等では社長や役員は株主から雇われて経営に従事していますので、株主に対し利益を上げ、多くの配当を行なうことが目標となります。
決算書では、利益を出来るだけ多く計上する傾向にあります。逆に不正を犯して利益を抑え脱税をしても、社長や役員の得にはなりません。
反対に社長又は社長の親族のみが株主である会社は利益に連動して税金の支払が多くなる事を嫌う傾向があります。
<不正決算にはパターンがある>
以下に不正決算の代表的な手法を記載します。
「利益=売上-売上原価-経費-税金」ですので、粉飾を行なうためには、この構成要素のいずれかを操作すればよいわけです。
①売上・・・・(粉飾)売掛金を水増し、架空の売上を計上する。子会社に無理やり商品を買い取らせる。
(脱税)現金売上等の一部を隠してしまい、売上に計上しない。
②売上原価(粉飾)期末在庫高を実際より多く計上する。買掛金を過少計上し、仕入高を減らす。
(脱税)期末在庫高を実際より少なく計上する。買掛金を過大計上し、仕入高を増やす。
③経費・・・ (粉飾)未払費用を少なく計上する。自社の経費を子会社に負担させる。
(脱税)架空の人件費・外注費を計上する。
<決算書の判定は立体的に>
決算書は他人に見せることを前提に作られていますので、決算書のみを見て粉飾を判断する事は困難です。
その業界の景気や成長性、その会社に起こった出来事、その会社や商品の評判、過去の決算データとの比較で見ると一定の矛盾が浮かび上がるとのことです。
しかし、調査組織にいない一般人の我々には入手できる情報に限りがありますから、難しいですね。
(静岡市立御幸町図書館所蔵)
Posted by 書架の番人 at 00:45
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