2013年03月22日

相続税の理論と実務

相続税の理論と実務
八ツ尾順一 著

相続税の理論と実務


<受験参考書ではありません>
この表紙、税理士試験の受験参考書か、仕事で使う実務書のように見えますね。
でも、内容は全く違います。相続税の計算事務を行う現場で遭遇した諸問題を、会計事務所の2人の職員(後半は税務署の税務職員2名)の会話で再現したStory形式の本です。
会計や経営を題材にしたStory形式の本は最近数多くありますが、「相続税」(相続ではなく相続税です)を題材とした本は、めずらしいのではないでしょうか。

余計なお世話ですが、もう少しインパクトのある表紙(イケメン税理士のイラストとか・・)にすれば、売れ行きがずっと良くなると思うのですが・・・。


<難易度は高いです>
内容は全編を通して1つのストーリーが展開されるのではなく、各論点項目ごとに2~3ページの対話形式のストーリーとその解説という構成で、約30項目程を解説する本となっています。
とても読みやすく面白いのですが、相続税法や民法(相続編)の規定を一通り知っていることを前提に対話形式のストーリーが進むので、これらの予備知識の無い方にはお勧めできません。
しかも、題材となる論点はどれも「税法」と「民法」の規定が絡み合い、その影響で課税関係に思わぬネジレが生じるというマニアックなものが多いのです。
中には、結論が示されていない項目まであり、論理的にも非常に深く考えさせられる内容でした。恥ずかしながら、私も100%は読みこなせていないと思います。


<巷は相続税祭り?>
さて、本書からは離れますが、今年1月の税制改正大綱の発表で相続税の増税方針が公表されて以来、本屋さんの店頭では相続対策の本や相続税特集を組む雑誌をよく見かけます。
私が以前務めていた会社は退職者にも社内報を送ってくれるのですが、先月号には「相続税法の改正もついて」のパンフレットが同封されていて、少々驚きました。近々セミナーも開催予定だとか・・・
それだけ皆さんの関心が高いのでしょうね。


(静岡市立御幸町図書館所蔵)


相続税の理論と実務




タグ :相続税

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Posted by 書架の番人 at 20:50 │税金

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