2012年08月28日

はっきり言う!社長、絶対に黒字経営です。

はっきり言う!社長、絶対に黒字経営です。
近藤浩三 著

はっきり言う!社長、絶対に黒字経営です。



<毎年少しでもいいから黒字計上を>
経営基盤を確保し、会社を成長・発展させるためには、黒字を計上して一定の税金を支払い、残ったお金を再投資(設備投資や運転資金の増加)へ充てる事が必要です。

中小企業、特にオーナー社長系の会社では、納税を嫌い赤字決算をあえて選択する会社が多いようですが、これでは会社は徐々に縮んでしまいます。
同族会社では、会社の利益を僅かな赤字にとどめ、社長の給料に資金を充て、社長が会社へ再投資(増資・貸付)を行う形態で会社を発展させる方法も考えられます。
しかし、給与には所得税・住民税が課税されますし、社会保険料の負担までありますので得策ではないかもしれません。

会社は大なり小なり、社会との経済的な繋がりを持っています。販売先、仕入先、従業員、皆当社の存在に少なからず依存しています。
そう考えると、存在意義の無い会社なんてありません。経営基盤を確保し会社を発展させていく事は、社長や株主のためだけでなく、お客様、出入りの業者、従業員みんなの幸せのためでもあると言えます。


<会社成長のための三要素>
本書は会社を成長させるための三要素として以下を挙げています。
表題から本書は「決算と再投資」の事を扱った本かと思いましたが、メインはこの「三要素」の解説でした。

1.組織づくり
  社長1人の力で仕事を回すのでは無く、社員にそれぞれ役割をあたえ、モチベーションを持たせて全社員で仕事にあたる体制を作ること。

2.ビジネスモデル
  利益を生み出す基本的な仕組みをしっかり考え、実践すること。誰を相手に何をしてどれだけの報酬を受け取るかを明確に意識する。

3.マーケティング
  自社の商品・サービス内容を広く世間に広め、その価値を認識してもらうための工夫を行う。



<「何ができるか」ではなく、「誰が欲するか」>
最後に、本書の主題からは外れますが、共感できる記述があったので、要約を載せておきます。

起業する人の中には自分は「○○ができる」からこれで起業しようという人が多いのですが、これでは失敗します。誰がどんな時にそれを必要とするかという視点が抜けているからです。

例えば、自分は「とても美味しいケーキを作れる」→「だからお店を作れば大繁」ではだめだという事です。
「とても美味しいケーキを作れる」→「どんな人がどんな時そのケーキを買うのか」→「その人はどの位の割合で居るのか」「その時はどの程度の頻度か」→「お店が成り立つか」を考える必要があるのです。

自分の気持ちが高鳴り熱くなっていると、ついこの観点を忘れがちですね。

(静岡市立御幸町図書館 所蔵)

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Posted by 書架の番人 at 00:45 │経営

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