静岡で働く税理士の書架より

2代目はどこで失敗するか　　　　　　高橋幹　著





営業基盤も事業用資産も全くのゼロから事業を始める者にとって、親から経営を受け継いで事業を行なっている方は、とても羨ましいのですが、ご本人の感じ方は違うようです。

初代の経営者は、現在の会社の全てを築いた方ですので、社員や取引先からの信頼も厚く、尊敬の念を集めている事が多いのですが、ここに２代目社長の不満要因が生じます。

・何でも初代社長と比較され、劣位にみなされる。
・自分が功績を上げても、先代社長の影響力のお陰だと言われてしまう。
・労せずして血因関係で現在の地位と財産を受け継いだという周囲の嫉妬を感じる。

本書では、このような事に反発せず、そのまま受け止めるのが良いだろうと述べています。

①先代の功績や存在の大きさは素直に認める。
②自分の得た現在の立場や営業基盤を遠慮なく利用して、取引先との良好な関係を早期に確立する。
③古株の従業員に媚びない。いくら懐柔しても、社長としての自分の立場と従業員の立場が同じにはならない。
④自分の功績をあせり、新分野に無理に進出しない。先代から引き継いだ事業の基盤を固め、自分のものとしてからでも遅くは無い。
⑤経営者として謙虚に学ぶ姿勢を示す。周囲に好印象を与え結果として古参役員や従業員の協力が得られる。

私自身はこのような立場に置かれた事が無いので、何とも言えませんが「素直さ」「前向き」「努力する姿勢」は、どんな人にも共通して大切ですね。

（静岡市立御幸町図書館所蔵）
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