2015年08月15日

永遠の0

永遠の0
百田尚樹 著

永遠の0



<終戦記念日>
今日は終戦記念日ですね。今回はあえてビジネス書ではなく、この本です。有名なベストセラー本ですし、映画化されTVでも放映されたようですので、内容は記載するまでもないでしょう。戦死した祖父の足跡を明らかにしようと、孫の姉弟が当時の戦友をインタビューして回り、ゼロ戦に乗って戦った祖父の足跡を辿る話です。


<愚かな作戦>
物語ですので、必ずしも史実に基づいたものではないかもしれませんが、本書は終始一貫して当時の海軍(陸軍も同様)の愚かな作戦を浮き彫りにしています。将校の判断ミスで、勝機を何度も逃し、現場を知らない指揮官が無理な作戦をたて、多くの部隊が全滅したり、階級偏重により現場の意見を無視する風潮が蔓延したり、人命を軽視する思想が経験による戦闘力の差を拡大させたりと、読むだけでも腹立たしい愚行が繰り返されます。それでも、最前線に兵士として駆り出された人々は命令に従い死んでいくしかありませんでした。


<今だから言える事>
しかし、当時の軍部の作戦や姿勢を「愚行」と言えるのは、今だからでしょう。言論や思想の制限という意味ではなく、結果が全て明らかになり、米軍側の見方や行動まで明らかになっている今だからこそ「愚行」と判るという意味です。
当時は情報網や観測網が弱く、戦い全体を鳥瞰・俯瞰してみることが出来なかったのでしょう。まして敵側でどんな事が進行しているかなど、分かるはずも無かったのだと思います。


<全体像を俯瞰することの大切さ>
戦争のお話をビジネスに置換えて語るのは大変不謹慎だと思いますが、本書を通して全体像を俯瞰して把握する事の大切さを改めて痛感しました。本書はビジネスにおいても非常に得るものが多いお話です。
我々ビジネスに生きる者にとっても、やはり結果が全てです。どんなに一生懸命働いても、どんなに資金を注ぎ込んでも、結果が出なければ何の意味もない「愚行」です。幸いそれで人命が失われることは滅多にありませんが、自身のビジネスの全体像を俯瞰し、現状を把握して常にフィードバックし続ける事はとても大切です。


<お付き合いします>
ちょっと手前味噌になってしまいますが、やはり事業の「試算表」は毎月確認しましょう。見るだけでなく、その数字と繋がる「行動」や「原因」にも思いを巡らしましょう。何があったのか、何をしたからこうなったのか。今後どうすべきなのか考えましょう。 社長さん、事業主さんが望むなら、私ども税理士は喜んでお付き合い致します。

(古書店にて購入)

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Posted by 書架の番人 at 08:08 │その他

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