2015年05月22日

餃子屋と高級フレンチではどちらが儲かるか

餃子屋と高級フレンチではどちらが儲かるか~不正会計編~
林總 著
餃子屋と高級フレンチではどちらが儲かるか



<餃子屋も高級フレンチも登場しません>
この題名ながら、餃子屋や高級フレンチの話は登場しません。別途「餃子屋と高級フレンチではどちらが儲かるか」というベストセラー本があり、本書はその続編という位置づけのようです。


<虎の穴>
子供の頃の有名なTV漫画に「タイガーマスク」という作品がありました。懐かしいですね。「虎の穴」はそのマンガに出てくる悪役レスラー養成施設の名前です。本書はタイガーマスクやプロレスラーとは無関係ですが、名門「ニューヨークコンサルティング」に入社した主人公「菅原ヒカル」さんが出向させられてしまう「タイガーコンサルティング」という会社の別名だそうです。・・・・なにやらブラック企業系の話なのでしょうか・・・


<登場人物の位置づけ>
今回も、ライトノベル系小説風の話の中で経営改善の方法論を紹介する本です。そのため「物語」自体に多少の無理を抱えています。あまり拘っても意味が無いのは承知しているのですが、特に今回のこのお話は登場人物の位置づけがいまひとつはっきりせず、個人的にすっきりしません。

ニューヨークコンサルティング東京支社長「前原さん」・・・・凄腕のコンサルタントのくせに、今回は手抜きのコンサルで鞘抜きをして儲ける。しかし後日これが仇となり顧客からのクレーム対応。窮地に追い込まれます。また主人公の相談役(安曇教授)のことは嫌っています。

依頼主の「陳さん」・・・・・・・巨大資金を動かして企業買収を図る経済界の大物。プレゼンの大詰めの場面で主人公を制止しようとする前原・海野らを遮り、主人公の発案を擁護。・・・しかし、最終的に地方政治団体の資金使い込みで捕まる。

タイガーコンサルタント社長「海野」さん・・・・主人公を鍛える鬼軍曹役かと思えば・・主人公を食い物にし、切り捨てようとする。

主人公の相談役「安曇教授」・・・・・いつも主人公に的確なアドバイスを与えるが、なぜか主人公(23歳の女の子)に毎回高級ワインをおごらせている。

?????なんなのでしょう・・・この人たち?

<内容は5つ>
①経理・総務社員と営業部長が結託し、経費を水増しして会社の資金を横領していたため、会社は赤字となっていた話。
②コンサルタントに騙され、借入金により新店舗拡大を推し進めた結果、融資返済資金相当だけのCFを産み出せず黒字倒産しそうになった話。
③経理コンサルタントが会計を操作して会社を黒字化。売れた製品の対応する製造原価を少しづつ未売却の仕掛品原価に混ぜ、その結果「仕掛在庫高」が異常に増加してしまった会社の話。
④出資先の会社が連結決算により黒字化して見えていたが、出資の対象となった本体は小さな赤字会社であった話。
⑤在庫と在庫管理コストが増加し、赤字経営となった会社を在庫を持たない会社へと変貌させる話。


<結局それで良かったのか?>
上記5つの問題を解決し、研修を終えた主人公は無事ニューヨークコンサルティング東京支社への復帰を果たしますが・・・それで良かったのでしょうか?そこのトップは「前原さん」なのですが・・・・

(静岡市立御幸町図書館所蔵)


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Posted by 書架の番人 at 08:08 │経営

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